自動車販売は不振を極めている。業界では @「100年に一度」の経済危機で車を買おうという消費者の意欲が減退している。 A都市部に住む若者のクルマ離れ などとあきらめ気味だったが、そこに喝が入った。ホンダが2月に発売したハイブリッド車「インサイト」が好調だからだ。 2月6日に発売されたインサイトは3月9日までの1万8千台の受注を獲得した。月間販売目標の3倍以上の好調ぶり。半数は他社製からの買い替えという。先駆けのトヨタ自動車のプリウスがあるが、2月は車名別順位でインサイトが10位、プリウスが12位でハイブリッド車トップの座が交代した。 インサイトとプリウスは同じハイブリッド車とはいえ、機構も車の大きさも違う。ホンダは低価格の実現を最優先し、仕組みをシンプルにした。モーターはエンジンの支援するという役割で比較的小さい。一方のトヨタは出力の大きいモーターを載せており、モーターだけでも車は走る。燃費はインサイトを上回る。トヨタの幹部は「機構としてはプリウスの方が精緻かつ複雑な仕組みで先進的」と強調する。 消費者は今、何を求めているか。 インサイトの好調ぶりをみれば、「ハイブリッド」という環境への配慮が「手軽な価格」で得られるということに消費者が飛びついたように見える。「先進的」だとしても、不安が募る今の時代には高ければ売れないのかもしれない。「お値打ち」の基準が変わっているのだ。 (朝日新聞記事より) 不況と呼ばれても時代の流れと顧客のニーズに対応した商品は、ヒット商品に結びつきます。まだまだ元気な業種はいろいろあるのでしょう。
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