寅年ってどんな年? 寅年には、米ソ冷戦解消の先駆けとなった、1986年のレーガン大統領とゴルバチョフ書記長の会談のような平和的な出来事もありましたが、どちらかといえば、キナ臭い出来事のほうが多いようです。たとえば、1914年の第1次世界大戦勃発、1926年の蒋介石の北伐開始、1938年の国家総動員法の施行と日中戦争の本格化、1950年の朝鮮戦争、1962年のキューバ危機等が挙げられます。また、寅年には、大きな事故も多いようで、1962年の三河島事故、1974年の原子力船むつ放射能もれ事故、そして、1986年にはソ連でチェルノブイリ原子力発電所事故等が起きています。さらに、1926年の高野山金堂焼失、1950年の金閣寺消失といった国宝建造物の焼失も寅年の事件です。 さて、来年の十干は「庚(かのえ、こう)」です。したがって、干支は「庚寅(かのえとら・こういん)」ということになります。「庚」は「更(あらたまる)」につながり、成長に行き詰った草木が新たな形に変化しようとする様を表しているそうです。まさに、弱気から強気への「転換」の年にふさわしい巡り合わせです。ぜひとも、サブプライム・ショック、リーマン・ショックで行き詰った資本主義経済に、新たな成長が芽生える年になってほしいところです。また、「庚」は、十干の7番目、陰陽五行説では「金」の性の「陽(兄)」に当たります。鉄や金属、具体的には斧や刀など大きくて硬い金属を象徴するそうですが、来年は、この硬い金属が戦争や武器ではなく、社会の基盤整備や産業の振興、そして、平和で豊かな生活に結びついてくれればいいと思います。 いずれにしても、来年は、2月のバンクーバー冬季オリンピック、5月からの上海国際博覧会、6月のサッカーワールドカップ南アフリカ大会と大きなイベントが続く1年です。なにはともあれ、平和な年になってもらいたいものです。
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