過去の辰年に起きた大きな事件をざっと振り返ってみましょう。 1988年は、80年代後半からの好景気が世間の末端にまで認識されはじめ、いわゆるバブル経済の絶頂期が始まった年です。 1976年のロッキード事件は、それまで日本列島改造論の旗印の下に 日本の高度経済成長を引っ張ってきた田中角栄氏が逮捕された年。こ れはひとつの時代の終わりと観るべきでしょうか。 1964年は高度経済成長のシンボルである、新幹線の開通や東京オリ ンピックが開催。 1952年は、前年にサンフランシスコ講和条約締結が締結されており、 この年の4月28日に発効し、日本の主権が回復されました。 1940年は、政治が機能不全となり、戦争に向けた歩みが固まってしまった年。 その前の辰年も、三・一五事件や日露戦争が起こっていますが、やはり注目すべきは1968年。明治維新という日本の歴史上非常に大きな 変革が起こった年です。 日本では、ずっと続いていた経済低迷に東日本大震災と原発事故が 決定打となり、今後は別の流れが生まれてくるに違いありません。世界的にも同様で、リーマンショックを境にアメリカ型資本主義の限界が露呈し、現在の欧州危機はユーロ崩壊までいかなくとも、ヨー ロッパ諸国の力を確実に削ぎ、ひいては西欧的価値観の凋落につながるはず。 これらは悲観的に考える必要はなく、行き詰まりを迎えたこれまでの流れに終止符を打ち、リセットを行い、新たな上昇を始めるチャンスであると観るべきでしょう。簡単に言えば、旧世界が終焉を迎え、新たな世界がスタートすると 言うことです。 伝説によると、龍は、普段は水底や滝壺に棲み、春分には天に昇り、秋分には再び下ってきて水底に戻るとされました。2012年は、水底に眠っていた龍がいよいよ動き始め、天に昇ってい く時期になるのではないでしょうか。こんな時期は、いたずらに目先の不安要素に惑わされることなく、しっかりと流れを見極めながら歩んで行きたいものです。
|